できればムカつかずに生きたい

できればムカつかずに生きたい (新潮文庫)

最近、じわじわとながら、確実、着実にムカついていることがあり、
「うーむ、オレ、そんなこと忘れてスカっとしてぇーんだけどなぁ」
と思いながら、深夜の青山ブックセンターに行ったら、
いっちゃん奥の文庫コーナーに、この本があった。

田口ランディ

聞いたことはあったけど、一行たりとも彼女の文章は読んだことがない。
「できれば……」は、エッセイ集なのだが、
ランディさんは、小説なども書くんですね、ふむふむ……というぐらい知らない。

が、タイトルに惹かれてペラペラとページをめくっていると、
ふむふむ、わかるぞ、そーだ、そーだ、と感じる部分が多い。ので、買った。
ランディさんの感じる疑問、憤り、怒り……などが、よーく、ワケわかるのだ。
つまり、オレに似ている部分がかなりある、ということだ。

タイトルにもある、「できればムカつかず・・・」の項をちょっと抜粋。
夢の中に出てきた少年が、こう語っていたらしい。

どんな考えもあっていい。
間違いってのはない。
どんな考えも世界にグラデーションを作るためにある。
どんな考え方も世界に濃淡を与え、世界を立体にする。
だから、どんな考え方も、世界を描く点描の点だ。

なんともタイムリーな話ながら、
知り合いの点描画家さんが、明日から個展だったりして……
なんだか結局、

「己を省みるべし」

と言われているようが気がして、
一杯やってっちゃう? という気分も失せ、
歩きながら読んで、ファミレスで読んで、
気がついたら、始発の時間だった。

家に帰って、かみさんに、これこれしかじかでぇ〜と話したら、
なんだかスッキリした。ので、書き残しておこう。